アライグマの法律・特定外来生物の規制と捕獲許可手続き|自治体連携ガイド【2026年版】
アライグマは特定外来生物(外来生物法)+指定管理鳥獣(鳥獣保護管理法)。無許可の生きたまま移動・放流は3年以下の懲役・300万円以下の罰金。個人が捕獲するための手続き・自治体連携・合法的にできること・できないことをわかりやすく解説。2026-06-09確認。
この記事でわかること(30秒まとめ)
- アライグマは外来生物法(特定外来生物)と鳥獣保護管理法の両方が適用される二重指定動物
- 生きたままの移動・放流は外来生物法で禁止(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
- 追い払い・侵入口封鎖・忌避剤の使用は許可不要で合法
- 罠での捕獲には都道府県への申請・許可取得が必要
- 自治体の捕獲事業を活用することが最もスムーズで合法的な解決策
- 業者に依頼する場合は捕獲許可証の確認が必須
- 確認日: 2026-06-09(環境省 外来生物法)
アライグマと法律の全体像
アライグマ(Procyon lotor)は北米原産の動物で、日本には1970年代から輸入ペット・アニメ「あらいぐまラスカル」の影響で飼われ始め、野外逃亡・遺棄によって野生化しました。 現在は北海道〜九州まで全国に生息が確認されています。
アライグマには珍しい「2つの法律が同時に適用」という状況があります。 この二重指定がアライグマに関する法律を複雑に感じさせる最大の原因です。
| 法律 | 指定の種類 | 主な規制内容 | 担当窓口 |
|---|---|---|---|
| 外来生物法 | 特定外来生物 | 生きたままの移動・放流・輸入の禁止 | 環境省・都道府県の自然環境担当 |
| 鳥獣保護管理法 | 指定管理鳥獣 | 捕獲には許可が必要 | 環境省・都道府県の鳥獣担当 |
外来生物法(特定外来生物)の規制内容
アライグマは特定外来生物に指定されています(2005年指定)。
- 禁止行為(個人・法人とも):
- 生きたままの移動・運搬・保管(許可なし)
- 野外への放流(捕獲後に別の場所に逃がすことも含む)
- 輸入・頒布
- 罰則(違反した場合):
- 個人: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金
- 法人: 1億円以下の罰金
出典: 環境省 外来生物法 規制の概要(2026-06-09確認)
鳥獣保護管理法(指定管理鳥獣)の規制内容
アライグマは鳥獣保護管理法上の指定管理鳥獣にも指定されており、積極的な個体数管理が求められています。
- 指定管理鳥獣とは: 生態系・農林業・生活環境に重大な影響を及ぼす鳥獣で、都道府県が策定する「第二種特定鳥獣管理計画」に基づいて管理(捕獲・数の削減)が行われる
- 捕獲には許可が必要: 狩猟期間外の捕獲・罠による捕獲は「有害鳥獣捕獲許可」等の許可が必要
- 捕獲許可の申請先: 都道府県の自然環境・鳥獣担当部局
出典: 環境省 指定管理鳥獣捕獲等事業(2026-06-09確認)
自分でできること・できないこと(法的境界線)
| 行為 | 許可の要否 | 根拠法 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 忌避剤の散布・設置 | 不要(合法) | — | アライグマの身体に直接害を与えない忌避行為 |
| 侵入口の封鎖・物理的対策 | 不要(合法) | — | ネット・金網・ブリキ板での封鎖 |
| 音・光による忌避 | 不要(合法) | — | 超音波装置・フラッシュライト等 |
| 罠での捕獲 | 要・許可申請必須 | 鳥獣保護管理法 | 都道府県知事への有害鳥獣捕獲許可等の申請が必要 |
| 捕獲後に別の場所に放流 | 禁止(違法) | 外来生物法 | 「山に逃がす」も違法。罰則: 3年以下の懲役または300万円以下の罰金 |
| 捕獲したアライグマを飼育・譲渡 | 禁止(違法) | 外来生物法 | 飼育・譲渡には特別な許可が必要 |
ケース別の対応フロー
アライグマの発見状況・被害パターンを選んでください。
状況次第
現時点で被害がなければ緊急性は低いです。自治体への目撃報告をしておくことで地域の捕獲事業のデータ提供に協力できます。環境整備(誘引物の管理)で定着を防ぎましょう。
業者推奨
追い出し・侵入口封鎖の実践ガイドは別記事「アライグマの駆除方法」をご覧ください。捕獲には許可が必要です(外来生物法・鳥獣保護管理法)。手順: ①自治体(市区町村の環境担当)に相談する→②業者への緊急見積もりを並行して進める→③侵入口・痕跡の写真を記録する
自治体への相談方法を確認する業者推奨
農業被害がある場合は捕獲許可が取得しやすいケースです。都道府県の農林担当への相談が最優先。農林水産省の鳥獣被害防止対策の対象にもなります。手順: ①被害状況・写真を記録する→②市区町村農林担当窓口に相談する→③都道府県鳥獣担当に捕獲許可申請
※ 診断結果はあくまで目安です。状況・建物の構造により異なります。安全に不安がある場合は迷わず専門業者にご相談ください。 消費者ホットライン188(いやや) も活用できます。
個人が捕獲許可を取得する手順(5ステップ)
農業被害・建物への侵入被害がある場合、個人でも都道府県知事への申請によって捕獲許可を取得できる場合があります。 以下の手順を参考にしてください。
被害の状況を記録する
まず被害の状況を記録します。必要な情報: 被害の日時・場所・内容(農業被害・建物侵入等)・アライグマの目撃状況(頻度・頭数の推測)・写真・動画。これらは許可申請時に必要になります。
アライグマのフン・足跡・侵入口の写真を残しておくと、申請が通りやすくなります。
都道府県の担当窓口に相談する
捕獲許可の申請窓口は都道府県の自然環境担当・鳥獣担当部局です。まず電話またはメールで状況を伝え、許可申請の手続きを確認します。確認事項: 申請に必要な書類・罠の種類の制限・捕獲後の処分方法・申請期間。
申請書類を準備して提出する
一般的に必要な書類(都道府県によって異なる): 捕獲許可申請書・被害状況の記録・使用する罠の種類・設置場所の図面または地図・申請者の住所・氏名。
許可取得まで数日〜数週間かかる場合があります。急を要する場合(建物侵入中等)は自治体の捕獲事業への依頼を並行して進めることを推奨します。
許可が下りたら罠を設置・管理する
許可が下りたら、許可された種類の罠を許可された場所に設置します。注意事項: 罠は毎日確認する義務がある(放置は鳥獣保護管理法違反になる可能性)・捕獲した場合は許可に記載された処分方法(致死処分または自治体への引き渡し)に従う・ペットや他の動物が誤捕獲された場合はすぐに放す。
捕獲した生きたアライグマを別の場所に放流することは外来生物法で禁止されています。必ず許可に記載された処分方法に従ってください。捕獲後の報告・処分をする
捕獲した場合は都道府県の担当部局に報告します。捕獲した個体は致死処分が原則(自治体の施設への引き渡しが可能な場合もあります)。捕獲結果(捕獲日時・頭数・性別等)を許可書の更新申請に添付します。
多くの都道府県・市区町村では、アライグマ等の特定外来生物に対する捕獲事業を実施しています。個人で許可を取得・管理するよりも、自治体の事業に申請することが手続き面でも費用面でも合理的な場合が多くあります。まず自治体窓口への相談から始めることを推奨します。
自治体の捕獲事業・連携窓口
| 相談先 | 内容 |
|---|---|
| 市区町村 環境担当(環境衛生課・生活環境課等) | 目撃情報の受付・捕獲事業への申請・自治体の捕獲罠設置の依頼 |
| 市区町村 農林担当(農政課・農業委員会等) | 農業被害の支援・補助金案内・鳥獣被害防止総合対策交付金の活用 |
| 都道府県 自然環境・鳥獣担当 | 捕獲許可の申請受付・捕獲後の処分方法の指示 |
| 都道府県 農林担当 | 農業被害に基づく有害鳥獣捕獲許可の相談・申請 |
違反した場合の罰則一覧
| 違反行為 | 適用法律 | 罰則(個人) | 罰則(法人) |
|---|---|---|---|
| 生きたままの移動・放流・保管(無許可) | 外来生物法 | 3年以下の懲役または300万円以下の罰金 | 1億円以下の罰金 |
| 無許可での捕獲(罠の設置・使用) | 鳥獣保護管理法 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 | — |
| 捕獲した動物を毎日確認しない(放置) | 鳥獣保護管理法 | 6か月以下の懲役または50万円以下の罰金 | — |
業者に依頼する場合の注意点
業者にアライグマの捕獲・駆除を依頼する場合、業者が適切な捕獲許可証を持っているかどうかを確認することが重要です。
- 許可証の確認(必須): 都道府県知事発行の有害鳥獣捕獲許可証または特定外来生物防除確認書を持っているか
- 捕獲後の処分方法を確認する: 「別の場所に放流」は外来生物法違反。致死処分または行政への引き渡しが適切
- 書面の見積もりを必ず取る: 捕獲・封鎖・清掃・消毒の各費用を内訳で確認する
悪質業者を見抜く方法
- 「許可証を見せて」と言っても出せない業者は依頼禁止
- 「遠くに放してくる」と言う業者は違法業者(外来生物法違反)
- 書面の見積もりを出さない・即決を迫る業者は断る
- 「格安」「特別価格」を強調して高額追加請求する事例に注意(国民生活センター 2024年4月)
- トラブルになったら消費者ホットライン188番・8日以内ならクーリング・オフ可能
よくある質問
まず市区町村の環境担当(環境衛生課・生活環境課等)に通報・相談することが最優先です。
アライグマは特定外来生物のため、行政が捕獲事業を実施していることが多く、無許可での捕獲よりも自治体の事業を活用することが合理的です。
通報時に伝える情報:
・目撃日時・場所
・頭数(推定)・行動の様子
・被害の有無・内容
・写真があれば添付
「捕獲」には許可が必要ですが、「追い払い・忌避」は許可不要です。
許可不要でできること:
・忌避剤の散布
・侵入口の封鎖
・音・光による忌避
・物理的な防護(ネット・フェンス等)
許可が必要なこと:
・罠を使った捕獲(外来生物法・鳥獣保護管理法のいずれかで捕獲許可が必要)
捕獲した後に生きたまま移動・放流することは外来生物法で禁止(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。
アライグマには2つの法律が同時に適用されます。
- 外来生物法(特定外来生物): 生きたままの移動・放流・輸入の禁止・捕獲には許可が必要
- 鳥獣保護管理法(指定管理鳥獣): 捕獲には許可(有害鳥獣捕獲許可等)が必要
「特定外来生物でかつ指定管理鳥獣」という二重指定のため、手続きや担当窓口が複数にまたがる場合があります。担当窓口は主に都道府県の自然環境・鳥獣担当部局ですが、農業被害の場合は農林担当も関与します。
はい、絶対にやってはいけません。捕獲した生きたアライグマを別の場所に放流することは外来生物法で禁止されており、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象になります。
よくある誤解:「山に放す」「遠くに逃がす」行為は、特定外来生物の放流として違法です。捕獲した場合は許可に従って致死処分するか、自治体の施設に引き渡してください。
アライグマには以下の感染症リスクがあるとされています:
- アライグマ回虫症(Baylisascaris procyonis): アライグマに多く見られる回虫。フン中の卵が経口・経気道感染する可能性があり、重症では脳・神経障害を引き起こす可能性がある(比較的まれ)
- 狂犬病: 北米では主要な感染リスク。日本国内では狂犬病の国内発症は1957年以降なし。ただし直接接触(咬まれる・引っかかれる)は避ける
- レプトスピラ症: 尿を介した感染リスク
フン処理時は必ず使い捨てゴム手袋・N95マスクを着用し、素手では触れないようにしてください。
緊急で業者に依頼する場合の注意点:
- 事前に書面の見積もりを確認する(口頭での「安い」には注意)
- 作業内容の内訳を明確にする(追い出し・封鎖・清掃・消毒の各費用)
- 「アライグマを生きたまま移動・放流します」という業者は違法業者の可能性(外来生物法違反)
- 捕獲許可証を持っているか確認する
- 高額請求には消費者ホットライン188番
実践的な追い出し・封鎖の手順はアライグマの駆除方法もご覧ください。
まずお住まいの市区町村の環境担当窓口(環境衛生課・生活環境課等)に問い合わせてください。
市区町村が独自の捕獲事業を実施していない場合でも、都道府県の自然環境担当(自然保護課・鳥獣担当等)に相談することで、捕獲許可の申請手続きを案内してもらえます。
自治体のWebサイトで「アライグマ 駆除」「アライグマ 捕獲」で検索すると、担当窓口や補助制度の情報が見つかる場合があります。
業者に相談する・関連情報を確認する
※本ページは一般的な情報提供を目的としています。記載の方法・費用相場・規制情報は変更される場合があります。 最終一次ソース確認日: ( アライグマの法律・特定外来生物の規制と捕獲許可手続き)。 作業前に一次ソース(公的機関・メーカー公式)で最新情報をご確認ください。状況によっては対応が異なる場合があります。無理な作業は行わず、必要に応じて専門業者にご相談ください。